引っ越しを依頼する際、まず行うのが見積もりです。しかし、「見積もりが安い!」と思って契約したものの、当日になって予想外の追加料金が発生したり、作業がスムーズに進まなかったりするケースが少なくありません。その理由のひとつが、トラックサイズと作業員の人数にあります。本記事では、見積もりの仕組みと注意すべきポイントを解説します。
引っ越しの見積もりでよく見かけるのが「2トントラック」「4トントラック」といったトラックサイズの表記です。料金はこのトラックサイズによって大きく変わります。
1.見積もり時の落とし穴
単身者など荷物の少ない引越である程度の見通しのある人は電話見積でもある程度は大丈夫ですが、3~4人以上の家族となると、引越し業者にあらかじめ家に来てもらい、運び出す家具を見てもらいしっかりと事前見積もりを行いましょう。見積にも来ない業者は後々追加料金が発生したり遅延などの原因になります。
なぜ事前見積もりが必要なのか?
お引越しにあたり、営業マンは次の部分を確認します。
- マンションなどでは搬出経路の確認。
- 当日前荷造りサービスを使うかどうか。大口のご家庭では前日から荷造りに入る場合もあります。
- 営業員は、お荷物の量(大きさ)を「ポイント」で換算していき、その合計で最適な輸送手段、作業員人数を計算します。
- 特殊梱包の必要な家具を確認します。例:大きな壺、仏具、ドラム型洗濯機、特殊家電など。
これらに応じて段ボールなどの梱包資材が用意されます。
2. コンテナやトラックのサイズと料金の関係
- 軽トラック(1トン):主に市内の単身引っ越し向け、荷物が少ない場合。
- 2トントラック(ショート):単身者や荷物が少ない二人暮らし向け。
- 2トンロング又はコンテナ:1LDK~2LDK程度のファミリー向け。
- 4トントラック又はコンテナ:2LDK~3LDK、荷物が多い家庭向け。
- 6~10トントラック又はコンテナ:3LDK以上の大型ファミリー向け。
注意点:トラックが小さすぎると、積みきれない荷物が出てしまい、追加のトラック手配や往復作業が発生してしまう可能性があります。その結果、想定以上の費用がかかってしまうのです。
単身者で荷物の少ない人や、あふれた荷物はカーゴで送る手段もあります。(以下、日本通運様の例)
3. 作業員の人数と作業効率の関係
作業員の数も引っ越し料金に大きく関わります。
- 作業員1~2名:単身引っ越し、荷物が少ない場合(手伝いが必要)。
- 作業員2~3名:1LDK程度、標準的な引っ越し。
- 作業員4名以上:ファミリー層、大型家具が多い場合や時間短縮を希望する場合。
作業員不足の落とし穴:
- 作業員が不足すると、作業時間が長引く。特にマンションやエレベーターなしの建物では負担が増えます。
- 大型家具や家電が多い場合、作業員が少ないと安全面にも問題が出る可能性があります。
- 時間延長で追加料金が発生する場合があります。
できるだけ安く済ませたい気持ちが先行しますが、「安全確実をとる」か、「少しでも安くしリスクをとる」かはトレードオフです。
一番大切なのは、「時間に余裕を持つこと」です。
4. 見積もり時の注意ポイント
1. 荷物量の正確な申告
- 見積もり時には、荷物量を正確に伝えることが重要です。
- 特に「ベッド」「冷蔵庫」「ソファ」などの大型家具や家電の有無を必ず伝えましょう。
2. トラックサイズと作業員数の確認
- 提示されたトラックサイズと作業員の人数を必ず確認しましょう。
- 「2トントラック+作業員2名」などの具体的な表記を確認する。
3. 見積もりの内訳確認
- 基本料金だけでなく、追加料金の発生条件を確認しましょう。
- 梱包材の有無や追加作業の費用(エアコン取り外し、階段作業など)。
4. 相見積もりを取る
- 少なくとも2〜3社から見積もりを取り、比較検討するのがベストです。
5. トラックサイズと作業員の適切な選び方
引っ越し規模 | トラックサイズ | 作業員数 | 備考 |
---|---|---|---|
ワンルーム・単身 | 軽トラック・カーゴ | 1〜2名 | 荷物が少ない場合 |
1LDK | 2トントラック・カーゴ | 2〜3名 | 標準的なファミリー向け |
2LDK | 2トンロング・コンテナ | 3名以上 | 荷物多めのファミリー向け |
3LDK | 3トントラック・コンテナ | 3〜4名以上 | 大型家具が多い場合 |
4LDK以上 | 4トントラック・コンテナ | 5名以上 | 大型引っ越し |
5. まとめ:後悔しない引っ越しのために
引っ越しの見積もりでは、「トラックサイズ」「作業員数」「荷物量」の3つの要素が密接に関係しています。特に繁忙期の3月~4月などは、公務員の方のお引越しも多く、無理なスケジュールや作業員不足が発生しやすく、事前の確認が非常に重要です。
✅ポイントのおさらい
- 荷物量は正確に伝える
- トラックサイズと作業員数を必ず確認
- 追加料金の有無を確認
- 複数社の相見積もりを取る
これらを押さえて、スムーズで安心な引っ越しを実現しましょう!