USB-Cでは外付けGPUは基本的に使えない。Thunderboltが必須です
最近のノートパソコンには多くのモデルで「USB Type-Cポート」が搭載されており、その見た目から「これで外付けGPU(eGPU)も使えるのでは?」と思う方もいるでしょう。
しかし結論から言えば、通常のUSB-C(USB 3.1 Gen2 / 10Gbps)では外付けGPUは実質的に使えません。
外付けGPU(eGPU)をノートパソコンで利用したい場合は、「Thunderbolt 3」または「Thunderbolt 4」に対応している必要があります。
なぜなら、eGPUには高速なデータ転送が必要であり、USB-Cの転送速度では帯域幅が根本的に足りないためです。
雷マークがついているのがサンダーボルト端子です。

USB-CとThunderboltの違いとは?【同じ形状でも中身は別物】
USB Type-Cとは?|10Gbpsの限界と混乱の原因
USB Type-Cは、上下どちら向きでも差し込める便利な端子で、以下のような用途に対応しています:
- 充電(Power Delivery)
- データ転送
- 映像出力(DisplayPort Alt Mode 対応時)
ただし、USB-Cには複数の世代(USB 3.0、3.1 Gen1、3.1 Gen2、USB 3.2など)があり、転送速度に大きな差があります。
- USB 3.1 Gen1:最大5Gbps
- USB 3.1 Gen2:最大10Gbps
10Gbps(約1.25GB/s)という速度は一見すると高速ですが、eGPU(外付けGPU)で求められる帯域には遠く及びません。
このため、ポートの形状だけで判断してしまい、実際に接続できないというトラブルを経験するケースが多く見られます。
Thunderboltとは?|最大40GbpsでeGPUに対応する唯一の規格
Thunderboltは、IntelとAppleによって開発された高速データ転送規格で、Thunderbolt 3およびThunderbolt 4はUSB-Cの形状を使用しつつ、最大40Gbps(約5GB/s)という圧倒的な帯域を実現しています。
この規格は、eGPUのような大容量のデータをリアルタイムで転送する用途に特化しており、外付けGPUを利用する場合の事実上の標準インターフェースとされています。
- Thunderbolt 3:最大40Gbps
- Thunderbolt 4:最大40Gbps+追加要件(PCIe帯域・映像出力保証)
つまり、「Thunderbolt対応のUSB-Cポート」だけが、外付けGPU(eGPU)に正式対応しているというのが重要なポイントです。
Thunderbolt搭載ノートならeGPUでゲームも可能?
eGPUの性能はどれくらい?内蔵GPUやデスクトップと比較
Thunderbolt 3またはThunderbolt 4に対応したノートパソコンであれば、外付けGPU(eGPU)を接続することでゲーミングや動画編集といった高負荷作業に耐えうる性能を実現できます。
ただし、注意点もあります。eGPUはThunderboltという外部接続を介するため、理論上のGPU性能の7割〜8割程度しか引き出せないと言われています。
それでも、Intel UHDなどの内蔵グラフィックスやエントリークラスのモバイルGPUよりは遥かに高性能であり、「eGPU ノートPC おすすめ構成」といったキーワードで検索されるように、eGPUはモバイルワークステーション構築の選択肢として注目されています。
eGPUを利用するために必要な機材とは?
eGPU環境を構築するには、以下のような構成が必要です:
- Thunderbolt 3/4対応ノートパソコン
- eGPU用外付けケース(例:Razer Core、Sonnet eGFXなど)
- デスクトップ向けGPU(例:RTX 3060、RX 6700 XTなど)
- 電源ユニットと冷却ファン(ケースに内蔵されていることが多い)
- 対応ドライバとユーティリティソフトウェア(Windows向け)
これらを揃えれば、USB-C eGPU ゲームできる?という問いに対して**「ThunderboltであればYes」**と自信を持って答えることができます。
自分のノートPCがThunderbolt対応か確認する方法
Thunderbolt対応ポートの見分け方(⚡マーク)
Thunderbolt対応のUSB-Cポートは、通常ポート横に稲妻マーク(⚡)が印字されています。 これがThunderboltポートを見分ける最も簡単なサインです。
雷マークがついているのがサンダーボルト端子です。

また、Windows PCの場合は「デバイスマネージャー」で「Thunderbolt Controller」が表示されているかどうかでも確認できます。
メーカー公式サイトや仕様書の確認方法
製品によっては外見上から判断できないこともあるため、メーカー公式サイトのスペック表を確認することが確実です。
「Type-C Thunderbolt 見分け方」で調べると、対応状況を一覧で紹介しているサイトもあります。 特に中華系の格安ノートPCなどでは、USB-C搭載としか記載されていないことが多く、Thunderbolt非対応な場合がほとんどです。
USB-CしかないノートでeGPU代替案はある?
ゲーミングノートPCという選択肢|高性能GPU内蔵が前提
Thunderboltに対応していないノートパソコンで「GPU性能を強化したい」と考えている場合、最も現実的なのはゲーミングノートPCに買い替えることです。
ゲーミングノートにはRTXシリーズなどの高性能なdGPU(ディスクリートGPU)が内蔵されており、外部接続の必要がないため安定性も抜群です。
「ノートパソコン GPU 増設」では対応できないモデルが多いため、内蔵GPU前提での選択が重要になります。
クラウドGPUやストリーミングゲーミングも現実的
もう一つの方法として、クラウドGPU(例:NVIDIA GeForce NOW、Shadow PCなど)を利用する手もあります。ググればすぐ出てきますのでお勧めです。
これは、高性能なGPU処理をクラウド上のサーバーで行い、その映像をストリーミングで自分のノートに転送するという仕組みです。

USB-CしかないPCでも、インターネット接続さえ安定していれば高度な3D処理やゲームが可能になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. USB-CでもeGPUが使えたという人がいるのはなぜ?
まれに「USB-CでeGPUを接続できた」という情報がありますが、それらの多くは特殊な構成や非公式な手段を使った例外的な事例です。
一般的なUSB-Cポートでは帯域が不足しており、安定性や動作保証がないため実用には向きません。
Q2. Thunderbolt 3とThunderbolt 4、どちらが良い?
どちらも最大40GbpsでeGPUに対応していますが、Thunderbolt 4は互換性と安定性が向上しており、将来性も考えるとおすすめです。
Q3. Thunderbolt対応かどうか不安なときは?
- ポート横の⚡マークを確認
- デバイスマネージャーで”Thunderbolt Controller”を確認
- メーカー公式サイトの製品仕様ページを見る
この3つの方法で確認すれば、eGPUの対応可否を正確に判断できます。
【まとめ】USB-CポートでもThunderbolt対応でなければ、eGPUは非対応!
- 通常のUSB-C(10Gbps)では、eGPUは非対応または極端に性能が低下
- Thunderbolt 3/4対応なら、外付けGPUの利用が現実的
- GPU性能を求めるなら、Thunderbolt搭載モデルを選ぶのが鉄則
- それ以外の代替案としては、ゲーミングノートPCまたはクラウドGPUサービスの活用が現実的