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霧氷はどうやってできる?発生条件と樹氷・細氷(ダイヤモンドダスト)との違いをやさしく解説

冬の朝、木の枝が白くなっているのを見たことはありませんか?それは『霧氷(むひょう)』かもしれません。この記事では、霧氷ができるしくみや、似た自然現象である『樹氷』『細氷(ダイヤモンドダスト)』との違いを、やさしく解説します。

ダイヤモンドダストの画像


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霧氷(むひょう)ってなに?

冬の朝、木の枝や電線が真っ白になっているのを見たことはありませんか?
それが「霧氷(むひょう)」です。

霧氷とは、冷たい空気の中で水の粒が木や物にくっついて凍ったものです。
空気中の霧(小さな水の粒)がとても冷えて、木の枝などに当たって凍ることでできあがります。

氷点下の世界で起こる「着氷現象(ちゃくひょうげんしょう)」のひとつで、見た目は白くふわふわしていて、とてもきれいです。

電線やフェンス、車のミラーなどにもつくことがあり、まるで自然が作ったレースや綿のような氷が広がります。


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霧氷ができる発生条件とは?

霧氷ができるには、いくつかの条件がそろう必要があります。

✅ 気温が0℃より低い(氷点下)

霧氷は、空気の温度が0℃以下でないとできません。
特に、−5℃〜−10℃くらいになると発生しやすくなります

✅ 空気中に水蒸気や霧がある

冷たい空気の中に水の粒(霧や水蒸気)がふわふわとただよっていることが大事です。
この水の粒が木の枝や電線にぶつかって凍ります。

✅ 少し風がふいている

霧の粒がじっとしていたら、なかなか木にぶつかりません。
でも風がふいていると、霧の粒が枝や物に当たりやすくなります
そのときに、ぶつかった水の粒がすぐに凍って、霧氷ができるのです。


このように、「寒さ+水の粒+風」の3つがそろったときに霧氷は生まれます。
場所によっては、山や森だけでなく、街中や学校のグラウンドでも見られることがあるんですよ!


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実は3種類ある!霧氷の仲間たち

「霧氷(むひょう)」は、1つの現象の名前のように思われがちですが、実は3つのタイプに分かれます。それぞれ、できる仕組みや見た目に違いがあります。

ここでは、「樹氷(じゅひょう)」「粗氷(そひょう)」「樹霜(じゅそう)」という3種類について、わかりやすく説明していきます。


🟩 ① 樹氷(じゅひょう)

樹氷は、霧氷の中でも木の枝に白くふわふわとつく氷です。

霧の中にある小さな水の粒(霧粒)が、冷たい空気の中で木の枝にぶつかり、すぐに凍ってできあがります。

まるで白い雪の花が咲いたような見た目で、遠くから見ると木が真っ白に変わって見えるのが特徴です。

  • 主に気温が−5℃以下のときにできやすく、風が弱いときに発生します。
  • 代表的な場所は、山形県の蔵王(ざおう)。毎年「樹氷まつり」が開かれるほど有名です。

❄️ ポイント:樹氷は、霧の水滴が木にぶつかって凍った氷のかたまり


🟩 ② 粗氷(そひょう)

粗氷は、「そひょう」と読みます。こちらも霧氷の一種ですが、見た目は白ではなく、半透明で少しかたいのが特徴です。

  • 霧の水滴が冷えすぎて、地面や物にぶつかって凍ることでできます。
  • 気泡が中に入っていることが多く、完全な透明にはなりません。
  • 氷がくっついて、ひとかたまりの氷になっている場合もあります。

たとえば、フェンスや電線にできるツルツルした氷は、この粗氷であることが多いです。

❄️ ポイント:霧がものにぶつかって、少しかたい透明な氷になるのが粗氷


🟩 ③ 樹霜(じゅそう)

樹霜は、ちょっと特別な霧氷です。

こちらは霧の粒ではなく、空気中の水蒸気が「昇華(しょうか)」して氷の結晶になることでできます。
「昇華」とは、水蒸気が液体を通らずに一気に氷になることです。

  • 気温がとても低くて、空気中に水蒸気が多いときに発生します。
  • 氷の結晶が針のようにシャキーンととがった形でできるのが特徴です。

まるで木の枝から針のような氷がのびているような不思議な見た目をしています。

❄️ ポイント:水蒸気が空気中で直接凍って、針のような氷ができるのが樹霜


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細氷(さいひょう)って何?

「細氷(さいひょう)」は、別名「ダイヤモンドダスト」と呼ばれています。

これは、空から降ってくるとても小さな氷の結晶で、日光にあたってキラキラ光るのが特徴です。

🌤 細氷ができる条件は?

  • 気温が−10℃以下ととても寒いこと
  • 晴れていて、風が弱いこと
  • 空気中にほんの少しだけ水蒸気があること

このような条件がそろうと、空気中の水蒸気が「昇華」して、氷の粒が空から舞うように降ってきます。

遠くから見ると、空気の中に光の粒がふわふわ舞っているように見えるので、とても幻想的です。

📍 細氷が見られる場所

  • 一番有名なのは北海道。阿寒湖、旭川、富良野などが有名スポットです。
  • 九州でもまれに観測されたことがありますが、かなりまれです。

❄️ ポイント:晴れた朝にキラキラ舞う、氷のほこりのような美しい現象


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🟦 霧氷・樹氷・細氷の違いをまとめてみよう

項目霧氷樹氷細氷(ダイヤモンドダスト)
発生場所木の枝など木の枝空中
必要条件氷点下、霧、風氷点下、霧氷点下10℃以下、晴天、無風
見られる場所山、森蔵王、阿蘇など北海道の冬
見た目白くてもこもこ白い氷のかたまりキラキラ舞う小さな氷の粒

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いつ・どこで見られるの?

冬になると、霧氷や細氷は日本のいろいろな場所で観察できます。

🔍 霧氷・樹氷が見られる名所

  • 山形県・蔵王(ざおう) … 樹氷が有名。スキー場でも人気。
  • 熊本県・阿蘇山周辺 … 比較的温暖な九州でも見られることがある。
  • 奈良県・大台ケ原(おおだいがはら) … 雪山ハイキングで見られることも。

🔍 細氷(ダイヤモンドダスト)が見られる名所

  • 北海道・阿寒湖(あかんこ)
  • 北海道・旭川市
  • 北海道・美瑛(びえい)、富良野(ふらの) など内陸の寒冷地

朝早く、寒くて晴れていて、風のない日に見に行くのがポイントです!


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まとめ

  • 霧氷」とは、木や物にできる氷の結晶の総称です。
  • 中には、「**樹氷(じゅひょう)」「粗氷(そひょう)」「樹霜(じゅそう)」**のように分かれていて、見た目やでき方がちがいます。
  • 細氷(ダイヤモンドダスト)」は、空気中に小さな氷の粒が舞う現象で、キラキラ輝いてとても美しいです。

冬の寒さはつらいこともありますが、こうした自然の不思議な美しさを楽しめるのも、この季節ならではです。
ぜひ一度、自分の目で観察してみてくださいね。

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