
WindowsのRecall機能とは?Copilot+PCに搭載された新機能の概要
Recall機能で何が記録されるのか?
「Recall(リコール)」は、2024年に発表されたWindows Copilot+PC限定の新機能で、ユーザーがPC上で行った作業を自動的に記録・保存することで、過去の作業履歴を時系列で“巻き戻す”ように再確認できるというものです。
具体的には、以下のような操作が記録対象となります:
- アプリケーションの使用履歴
- ブラウザで表示したWebページ(スクロール位置含む)
- 入力したテキスト(チャット、メール、ドキュメントなど)
- 自動的に数十秒〜数分ごとに撮影されるスクリーンショット
これらの情報は、PC内部に保存され、ユーザーが後から「Recallタイムライン」画面を開くことで、視覚的に時間をさかのぼって内容を検索・確認できるようになっています。
なぜプライバシー問題として炎上しているのか
Recall機能は、英語圏を中心にプライバシーリスクの観点で大きな批判を浴びています。その主な理由は以下の通りです:
- 記録内容に機密情報が含まれる可能性がある
→ クレジットカード番号、パスワード、2段階認証コード、顧客情報なども記録対象となる。 - ユーザーの明示的な同意なく、初期状態で有効(Opt-out)
→ セキュリティに詳しくない一般ユーザーが、意図せず情報を保存されてしまうリスク。 - 保存された履歴はハッキング・マルウェア感染時の標的になりうる
→ PCが乗っ取られた場合、Recallの記録が「すべての操作履歴」を丸ごと漏洩する可能性がある。
結果として、海外メディアでは「Recallはキーロガーと同等」「GDPR(EU一般データ保護規則)違反の可能性」など、セキュリティの観点で炎上しています。
RecallはすべてのCopilot+PCにデフォルトで有効
現在販売されているCopilot+PC(Snapdragon搭載モデル)には、Recall機能がデフォルトで有効になっています。購入後に初期設定をスキップすると、Recallが自動的に記録を開始してしまうため、特にプライバシーに敏感なユーザーは注意が必要です。
Microsoftは「ローカル保存で安全」と説明していますが、家族や同僚と共有しているPCであれば、Recallで誰が何をしていたかが簡単に可視化されてしまうため、企業PC・リモートワーク用PCでは無効化が強く推奨されます。
Recallを無効化する手順【Windows Copilot+PC向け】
Recallの無効化設定を開く方法
Recallをオフにするには、Windows 11の設定画面からアクセスします。
- 「スタートメニュー」→「設定」アイコンをクリック
- 左メニューから「プライバシーとセキュリティ」→「Recallとタイムライン」を選択
- 「Recallの記録を有効にする」のトグルスイッチをオフに切り替え
この操作で、新たな記録が停止します。
💡 補足:Recallが表示されない場合、デバイスがCopilot+PCでないか、Windowsのバージョンが対応していない可能性があります。
Recall機能を完全にオフにする設定手順
Recallを無効化しても、すでに記録された情報はPC内に残っているため、以下の手順で削除も行いましょう。
- 設定画面の「Recallとタイムライン」で下部へスクロール
- 「記録されたスクリーンショットを削除」ボタンをクリック
- 「すべてのタイムラインデータを削除しますか?」→「はい」で確定
これで過去の履歴も含めて完全に無効化されます。
🔐 特に会社PCや家族共用のPCでは、この操作を必ず実施してください。
再起動後の確認方法と注意点
設定変更後、一度PCを再起動することで反映されやすくなります。再起動後、以下を確認してください:
- Recallタイムラインが表示されない
- スクリーンショットの保存フォルダ(通常はローカルの専用フォルダ)が更新されていない
また、Windowsのアップデート後にRecallが再び有効になる可能性があるため、定期的に設定をチェックするのが安心です。
Recall機能の記録を一部だけ無効にする設定方法(アプリ・フォルダ単位)
Recall機能を完全に無効化したくはないけれど、特定のアプリや作業内容だけは記録されたくないというニーズも多いはずです。特に業務用途や個人情報を扱うアプリでは、記録されること自体がリスクになりかねません。
そこで役立つのが、「Recallの除外設定」です。ここでは、Recall機能が記録を行わないようにアプリ単位・フォルダ単位で制限する方法を解説します。
「除外設定」を使って記録を防ぐ方法
Windows Recallでは、設定画面から特定のアプリやウェブサイト、フォルダの記録を除外することが可能です。以下の手順で設定を行います。
✅ Recall除外設定の手順:
- スタートメニュー > 設定(Settings)を開く
- 「Privacy & Security(プライバシーとセキュリティ)」を選択
- 「Recall & snapshots」をクリック
- 「Exclusions(除外)」セクションへ進む
- 「アプリの追加」や「フォルダの追加」をクリックし、除外したい対象を選ぶ
📝 この設定を行うことで、選択したアプリの使用中はスクリーンショットも含めて記録されなくなります。
仕事用アプリ・個人情報系アプリの対策法
除外設定の対象として、以下のようなアプリやフォルダは早めに除外しておくのが望ましいです。
- 仕事で使うチャットアプリ(Slack、Teams、Zoomなど)
- 顧客情報管理ソフト(CRM)
- クラウド会計・財務アプリ(freee、マネーフォワードなど)
- パスワードマネージャー(1Password、Bitwardenなど)
- 個人用の写真・書類を保存しているフォルダ
- Webブラウザのプライベートウィンドウやログイン画面
Recallは非常に便利な一方で、記録されては困る情報も自動的に保存してしまうリスクがあります。企業PCや共有PCでRecallを使う場合は、特に除外設定を徹底しましょう。
Recallを無効にすることで発生する影響とは?
Recallを完全に無効化すると、「記録されるのが怖い」という不安はなくなりますが、その反面で一部の機能や利便性が制限される可能性もあります。ここでは、Recallをオフにした場合に生じる影響と、代替手段についても紹介します。
Recallオフで機能制限されることはある?
Recall機能をオフにすると、以下のような検索・履歴補助機能が使用不可となります。
- 過去に開いたファイルやウェブページの視覚的なタイムライン表示
- 「あの時の画面」に戻る、という時間軸ナビゲーション
- アプリ間の作業履歴をまとめて表示する機能
特にRecallを活用した生産性向上機能に魅力を感じていた方にとっては、一部のアシストが失われる可能性があります。
Recall無効化後の動作確認と代替機能の紹介
Recallを無効にした後は、以下の手順で正常にオフになっているか確認しましょう。
✅ Recallオフの確認方法:
- 設定 > プライバシーとセキュリティ > Recall に移動
- 「Recallの記録」がオフになっているかチェック
- タスクトレイにRecallアイコンが表示されていないことを確認
✅ Recallの代替になるWindows標準機能:
Recallを使わずに履歴管理をしたい場合、以下の機能を活用することができます。
- 「最近使ったファイル」(エクスプローラー・アプリによる)
- タイムライン機能(Microsoftアカウント連携が必要)
- OneDriveやクラウドアプリでの履歴追跡
Recallをオフにしても、生産性を落とさずに作業履歴を管理する方法はあります。ただし「画面の見た目ごと記録して遡る」といった高度な視覚補助は使えなくなる点に注意しましょう。
Recall無効化に関するよくある質問(FAQ)
Recallを無効化しても再び有効になることはある?
現時点では、Recall機能を手動でオフにすれば、自動的に再び有効になることはありません。ただし、Windows Updateやセキュリティアップデート後に設定がリセットされる可能性もあるため注意が必要です。
特に、今後のCopilot+PCのアップデートによって仕様変更がある可能性もあります。Recallの設定状況は定期的に確認するのが安心です。
記録された内容は削除できる?保存場所は?
はい、Recallが記録した内容はユーザーが手動で削除できます。保存されているのは、主に「スクリーンショットデータ」や「使用アプリの履歴」などです。
保存場所はPCローカルの「Recallストレージ領域」にあり、通常は以下のような場所に格納されています。
makefileコピーする編集するC:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Recall\
ただし、ストレージ容量を節約するために自動削除される場合もあり、すべてのデータが残っているとは限りません。
削除するには、
- 設定アプリ → プライバシーとセキュリティ → Recall の設定
- 「保存済みデータの管理」から一括削除が可能です。
Recallが動作しているかどうかの確認方法
Recallが現在有効になっているか確認するには、以下の手順を踏みます。
- 設定アプリを開く
- 「プライバシーとセキュリティ」→「Recall & スナップショット」を選択
- Recallのスイッチが「オン」になっていれば、現在も記録中です
さらに、タスクバーにあるRecallアイコンを右クリックし、「状態を確認」することで、過去の記録や使用状況を確認することもできます。
まとめ|Recallは早めの無効化が安心。企業PC・共有PCは特に注意
Recallは便利な機能に見える一方で、「いつ・どこで・何をしていたか」まで記録される非常に強力な監視機能とも言えます。
とくに、仕事用PC・家族と共有しているPC・オンラインバンキングなどに利用するPCでは、思わぬリスクを招く可能性があります。
Recallの動作を止めたい、または部分的にオフにしたいという方は、本記事の手順を参考にして速やかに設定を見直すことをおすすめします。