NVIDIA使用時に全画面動画再生で起こるちらつき問題とは
NVIDIAグラフィックカードで動画がちらつく症状の特徴
NVIDIA製グラフィックカードを搭載したPCで、YouTubeやAmazonプライムビデオ、Netflixなどの動画をブラウザ上で全画面再生した際に、**画面がちらつく(フリッカー)**という問題が発生するケースがあります。症状としては、数秒〜数十秒ごとに画面が一瞬黒くなる、点滅する、映像がカクつくといったものが報告されています。
この問題は、特に全画面モード(フルスクリーン)にしたときに発生しやすく、「ウィンドウ表示では問題ないのに、全画面にすると動画がちらつく」という声が多く見られます。
ブラウザ全画面再生中に画面が点滅・黒くなる原因
フリッカーや画面点滅の主な原因は、NVIDIAグラフィックカードとブラウザ(特にChrome)との描画処理の相性問題にあります。動画の再生時、ブラウザはGPU支援機能(ハードウェアアクセラレーション)を利用して描画負荷を下げますが、NVIDIAのドライバとの不整合があると、描画に失敗し一時的な画面点滅や黒画面が発生します。
ChromeやEdgeでの動画フリッカー現象とNVIDIAの相性
ChromeやEdgeはChromiumベースのレンダリングエンジンを使用しており、ANGLE(Almost Native Graphics Layer Engine)という中間レイヤーを通してGPUに描画指示を送っています。このANGLEの設定(Direct3D11/D3D9/OpenGLなど)がNVIDIAと合わない場合に、Chrome動画再生時にちらつきが発生することがあります。
一方、FirefoxやSafariなどではこの問題が発生しにくいため、ブラウザ固有の問題+NVIDIAの描画方式の相性と考えるのが妥当です。
ANGLE設定とGPUハードウェアアクセラレーションの関係
Chromeの「chrome://flags」でアクセスできる内部設定では、ANGLEのバックエンドを変更することができます。ANGLEの設定が”Default”のままだと、Direct3D11を使用するようになっており、これが原因でNVIDIA環境での動画再生時にフリッカーが出ることがあるため、”D3D9″や”OpenGL”に切り替えることで改善される場合があります。
また、ハードウェアアクセラレーションがオンになっていることで描画が不安定になるケースもあるため、設定をオフにして再起動するのも有効な対策のひとつです。
NVIDIA+ブラウザで動画がフリッカーする主な原因
NVIDIAドライバの不具合・旧バージョン使用のリスク
最も基本的な原因のひとつが、NVIDIAグラフィックドライバが古いか、不安定なバージョンであることです。ドライバの更新が長期間行われていない場合や、逆に最新ドライバで不具合が出ていることもあります。
🔧 対策:
- NVIDIA公式サイトからドライバを最新版に更新(推奨)
- 必要に応じて1つ前の安定版へロールバック
- ドライバをクリーンインストール(Display Driver Uninstallerなど使用)
Chromeのハードウェアアクセラレーションとの相性問題
「Chrome 動画 フリッカー NVIDIA」で検索するユーザーが多いように、ChromeのGPU支援描画とNVIDIAの相性問題は非常に多くの環境で見られます。
🔧 対策:
- Chromeの設定 → システム → 「ハードウェアアクセラレーションを使用する」をオフに
- 再起動して改善を確認
全画面動画再生時のリフレッシュレート・VRRの影響
ゲーミングモニターなどを使用している場合、リフレッシュレート(120Hz/144Hz)やVRR(可変リフレッシュレート)機能との干渉が原因で、NVIDIA使用時にフルスクリーンでのフリッカーが発生することもあります。
🔧 対策:
- ディスプレイ設定 → リフレッシュレートを60Hzに一時変更
- G-SyncやVRR機能をオフにする
拡張機能やOSの設定が干渉する場合もある
広告ブロック拡張やセキュリティソフト、カスタムテーマなどが描画処理に割り込むことで、動画再生に影響を及ぼすケースもあります。
🔧 対策:
- シークレットモードで拡張機能を排除した状態で再生テスト
- セキュリティソフトを一時的に無効にして確認
ChromeのANGLE設定変更手順と具体例
ChromeでANGLEの設定を変更することで、NVIDIA使用時のフルスクリーン動画フリッカーを解消できる場合があります。
🔧 設定手順:
- Chromeのアドレスバーに「chrome://flags」と入力しEnter
- 「Choose ANGLE graphics backend」を検索
- ドロップダウンから「D3D9」または「OpenGL」を選択
- 「Relaunch」ボタンを押してChromeを再起動
これにより、ChromeがGPUへ描画指示を送る方式が変更され、NVIDIAとの相性が改善されることがあります。
動画再生トラブルを防ぐNVIDIA向け推奨環境とまとめ
NVIDIA環境におけるフリッカー対策の優先チェックリスト
- NVIDIAドライバを最新の安定バージョンに更新
- Chromeのハードウェアアクセラレーションをオフ
- ANGLE設定をD3D9またはOpenGLに切り替える
- リフレッシュレートを60Hzに設定(高Hz環境では特に)
- Chrome以外のブラウザ(Edge、Firefoxなど)でも動作確認
- 拡張機能をシークレットモードで無効化して再生テスト
定期的なドライバ更新とブラウザ設定の見直しが重要
NVIDIA製グラフィックカードは高性能である一方で、環境によってはソフトウェアとの相性問題が起きやすいのも事実です。特に動画再生やゲーム、ストリーミングといった描画負荷が高い場面では、不具合が顕著になります。
そのため、グラフィックドライバの更新を定期的に行い、ChromeやEdgeなどのブラウザ設定もこまめに見直すことが、ちらつきや点滅を未然に防ぐ最大のポイントです。
記事内で紹介した対策を1つずつ試し、自分の環境に合った安定構成を見つけることが、快適な視聴体験への近道になります。