国際決済銀行（BIS）が発表した最新のデータによると、円の国際的な価値を示す「実質実効為替レート」が過去最低を記録しました。この結果は、日本の物価や賃金の伸びが他国と比較して鈍いこと、そして長引く円安が主な要因とされています。
円の実質実効為替レート、過去最低を記録 国際決済銀行（BIS）の発表によると、円の実質実効為替レートが68.65にまで低下しました。これは1970年代前半の水準をも下回り、過去最低を更新しました。
実質実効為替レートとは何か？ 実質実効為替レートは、主要国の物価上昇率や貿易額を考慮した通貨の総合的な実力を示す指標であり、一般的な為替レートとは異なります。
他国通貨との比較―ドル、ユーロ、人民元 5月のデータでは、米国のドルは109.58、欧州のユーロは102.11、中国の人民元は91.12となっており、円との差が拡大しています。
円安と物価・賃金の伸びの鈍さが要因 日本の物価や賃金の伸びが他国に比べて鈍いこと、そして長引く円安が円の価値低下の主な要因となっています。
円の主要通貨としての地位の揺らぎ 実質実効為替レートの低下により、円の主要通貨としての地位が揺らいでおり、今後の国際的な競争力に影響を及ぼす可能性があります。
日本経済の今後の課題と対策 日本経済が国際競争力を維持するためには、物価や賃金の適正な成長と円安対策が必要です。政府と企業がどのような対策を講じるべきか、今後の動向に注目が集まります。
「円」過去最低に
国際決済銀行（BIS）は20日、円の国際的な価値を指数で示す「実質実効為替レート」（2020年＝100）が5月は68.65となり、過去最低を更新したと発表しました。この指標は、外国為替市場で取引される一般的な為替レートとは異なり、主要国の物価上昇率や貿易額といった経済指標を考慮して通貨の総合的な実力を表すものです。
5月のデータによると、日本の円が過去最低を更新し、米国のドルは109.58、欧州のユーロは102.11、中国の人民元は91.12となっています。日本の物価や賃金の伸びが他国と比較して鈍く、また円安が長引いていることが、円の国際的な価値の低下に繋がっています。この結果、ドルやユーロ、人民元との差が拡大し、円の主要通貨としての地位が揺らいでいる状況です。
影響について考察
このデータは、日本経済が国際競争力を失いつつあることを示唆しています。物価や賃金の伸びが他国に比べて遅れていることは、国内の消費活性化や企業の競争力強化に課題があることを意味します。特に、円安が続くことで輸入品の価格が上昇し、消費者や企業にとってコスト負担が増加するリスクが高まっています。これに対して、日本政府や企業はどのような対策を講じるべきか、今後の動向に注目が集まります。
