
リケーブルとは?初心者向けにやり方を解説
リケーブルの意味とメリット|音質変化の理由とは?
イヤホンの「リケーブル」とは、取り外し可能なイヤホンのケーブルを別のものに交換することを指します。
「re-cable(再ケーブル化)」という言葉のとおり、純正ケーブルを外して、新しいケーブルに交換することで、さまざまなメリットが得られます。

でも、ただのケーブルを変えるだけで、そんなに変わるの〜?
はい、変わるんです。具体的には以下のメリットがあります。
- 音質の変化・向上(特に中高音の解像感や定位)
- 断線時の交換で長く使える
- 見た目や装着感のカスタマイズが可能
たとえば、銀メッキケーブルにリケーブルすると、「音の抜けが良くなる」「シャキッとした高音が出る」など、変化を実感できることも。

音の変化って…オカルトじゃないの?
そう思われがちですが、導体の素材・絶縁構造・端子設計が音質に与える影響は、測定でも示されています。とくに純銅と銀メッキ、OFC(無酸素銅)などの素材の違いは、音のキャラクターを分ける大きな要素です。
リケーブルのやり方|イヤホンを壊さないコツ
リケーブルの手順はとてもシンプルですが、コネクタの種類に応じて注意点が異なります。
ここでは、代表的なMMCX・2pinのリケーブル方法を見ていきましょう。
【MMCXコネクタのリケーブル手順】

- イヤホン本体を持つ
- ケーブルのプラグ部分を真っすぐ上方向に引き抜く
- 新しいケーブルを差し込む(“カチッ”と音がするまで)
MMCXは回転構造になっているため、回しながら引き抜くと破損の原因になります。
【2pinコネクタのリケーブル手順】

- ケーブルの根本を持ち、まっすぐ引き抜く
- 新しい2pinケーブルを“向き”に注意して差し込む
(赤=右・青または黒=左)
2pinはピンの曲がりや折れに要注意。必ず正しい向きで、無理な力をかけずに行いましょう。
リケーブル初心者がよくやるNG行為とは?
リケーブルの際によくある失敗や誤解をまとめます。特に初心者がやりがちなNG行為には注意しましょう。
✅ よくあるNG行為リスト
- 左右逆にケーブルを挿す(装着感や音場が崩れる)
- ケーブルを引っ張って抜く(端子破損の原因)
- 型番を確認せずに購入(コネクタが合わない!)
- MMCXをねじって抜く(破損の元凶)
その通り。イヤホン本体もケーブルも精密機器の一部なので、扱いは“メガネや精密ドライバー並み”に丁寧にが基本です。
リケーブルに必要な準備【初心者入門】

リケーブル対応イヤホンの確認方法
まず確認すべきは、お使いのイヤホンがリケーブル対応モデルかどうかです。
リケーブル対応のイヤホンは、ケーブルと本体が「着脱式」であり、一般的にはMMCX・2pin・Pentaconn Ear・T2などのコネクタが採用されています。
✅ 確認のポイント
- メーカー仕様をチェック(公式サイト or 説明書)
- ケーブルが抜けそうか見てみる
- 「MMCX」「2pin」などの表記があるか確認

TWS(完全ワイヤレス)はリケーブルできないの?
いい質問!基本的にTWSは一体構造のため、リケーブルはできません。
ただし、ケーブル着脱式の有線イヤホンの一部は、Bluetooth化キットを使えばワイヤレス化も可能です(逆も然り)。
リケーブル可能なコネクタの種類一覧(MMCX・2pinなど)
現在主流のリケーブル対応コネクタの種類を紹介します。
コネクタ名 | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|
MMCX | 丸型で回転式。脱着がしやすく、広く採用されている | 初心者~中級者全般 |
2pin(CIEM) | 抜けにくいがピンが折れやすい。カスタムIEMに多い | 音質重視・リスニング重視 |
T2(TFZ) | 接触面が広く安定感あり。特殊な端子 | 中級者以上 |
Pentaconn Ear | 新規格。高音質・高信頼性 | 高級機志向 |

えっ、Pentaconn Earって何!?耳に刺す新しい技術?
いえいえ、“ペンタコン・イヤー”は日本の日本ディックス社が開発した新型コネクタで、プロ用モニター機器にも採用されています。接触面が広くて信頼性が高いのが売りです!
リケーブル用ケーブルの選び方|長さ・素材・価格帯の目安
リケーブル用ケーブルを選ぶときは、以下の3点を基準に選ぶのがおすすめです。
✅ ① ケーブルの長さ
- 通常:1.2m前後が多い
- ポータブル用途:1.0〜1.2m
- 自宅据え置き用途:1.5m以上も可
✅ ② ケーブル素材と音質傾向
素材 | 特徴 | 音質傾向 |
---|---|---|
純銅 | 温かみのある音 | 中低域がふくよか |
銀メッキ銅 | 高音が明瞭 | シャープ・解像度高め |
OFC(無酸素銅) | 安定性重視 | バランス型 |
✅ ③ 価格帯の目安
- エントリー:1,000〜3,000円
- 中価格帯:3,000〜7,000円
- 高価格帯:1万円以上〜数万円
まずは信頼できるメーカー(NICEHCK、KZ、Linsoul、iBassoなど)で、自分のイヤホンに合った端子&予算感で選ぶのが大切です。
リケーブル対応コネクタの種類を徹底解説【MMCX・2pinの違い】
MMCXコネクタとは?特徴とリケーブル方法
MMCX(Micro Miniature Coaxial)コネクタは、丸型の着脱式コネクタで、360度回転するのが特徴です。多くのイヤホンメーカーが採用しており、対応製品が非常に豊富です。着脱が比較的簡単で、初心者にも扱いやすいという利点があります。
リケーブル方法は、イヤホン本体とケーブルの接合部をしっかり持ち、まっすぐ引き抜くことで取り外します。再接続時は、クリック音がするまでしっかり差し込みましょう。無理にねじると破損の原因になるため注意が必要です。
2pinコネクタとは?折れやすさと注意点
2pinコネクタは、2本の細いピンでイヤホン本体に接続されるタイプで、主にカスタムIEMや高音質志向のモデルに採用されています。ピンの向きや差し込み角度が重要で、誤った扱い方をするとピンが折れるリスクがあります。
装着時はピンの向きを確認し、まっすぐ押し込むようにしてください。取り外す際も、ねじらずに垂直方向に引き抜くことが基本です。2pinは脱着にやや力が必要なケースもあるため、慎重に扱いましょう。
リケーブルコネクタの選び方|初心者はどちらがおすすめ?
初心者におすすめなのは、トラブルの少ないMMCXコネクタです。着脱が容易で、コネクタの種類も豊富に流通しています。対して2pinはやや取り扱いに注意が必要ですが、音質を重視したい中・上級者には根強い人気があります。
MMCXと2pinのどちらを選ぶかは、用途・音質の好み・装着感の違いなどを考慮して判断するのが良いでしょう。MMCXは回転構造によりフィット感の自由度が高く、2pinはピンの向きが固定されるため安定した装着が可能です。
リケーブル用ケーブルの種類と音質の違い
純銅・銀メッキ・OFCケーブルの違いと特徴

リケーブル用ケーブルには様々な素材が使われており、主に以下の3つが代表的です:
- 純銅ケーブル:温かみのある音質で、低音域のふくらみと中音域の厚みが特徴です。
- 銀メッキ銅ケーブル:高音域の抜けが良く、クリアで解像度の高いサウンドが得られます。
- OFC(無酸素銅)ケーブル:電気抵抗が少なく、全体のバランスが良い音質傾向にあります。
それぞれに音のキャラクターがあり、リスニングスタイルや好みによって最適な素材は異なります。
リケーブルで音質はどこまで変わる?
リケーブルによる音質変化は、イヤホン本体の性能や再生環境にもよりますが、明確に違いを感じられるケースも少なくありません。特に高感度なIEMでは、銀メッキケーブルに交換することで、高音の伸びや空間の広がりが改善される傾向があります。
一方で、ケーブル素材の変化による音質差は微細な場合もあり、過度な期待は禁物です。リケーブルはあくまで「微調整」として考えると失敗が少なくなります。
高音質を狙うならどんなケーブルが向いているか?
高音質を目指すなら、素材と構造にこだわったケーブルを選ぶと良いでしょう。たとえば、銀コートOFCや7Nグレードの高純度銅ケーブルなどは、高い解像度とノイズ低減効果が期待できます。
また、シールド構造がしっかりしているケーブルや、プラグ部分に金メッキ加工が施されている製品もおすすめです。音の立ち上がりや定位感を重視するユーザーには、バランス接続対応のケーブルも検討する価値があります。
リケーブルの価格帯とおすすめ製品【コスパ重視】
初心者向けリケーブル|1,000円台でも効果あり?
最近では1,000円〜2,000円台のリケーブル製品も数多く販売されています。中華系ブランド(NICEHCK、KZ、Tripowinなど)は、コストを抑えつつ実用的な音質改善を狙える選択肢として人気です。
とくに銀メッキケーブルやOFC導体を採用した低価格モデルは、リケーブル初心者が試すにはうってつけの選択肢と言えるでしょう。
中価格帯(3,000円~5,000円)の人気ケーブル紹介
3,000円〜5,000円の価格帯では、より高品質な素材と仕上げを持つケーブルが登場します。Linsoul、Shanling、iBassoなどの製品では、柔軟性や耐久性、装着感に優れたケーブルが多く、音質面でも安定したパフォーマンスが期待できます。
このクラスは、純正ケーブルからのステップアップを検討しているユーザーにとって最もバランスの取れたゾーンです。
高価格帯(1万円以上)はどこまで違う?失敗しない選び方
1万円以上のリケーブルになると、導体の純度・構造・外皮・プラグ素材すべてにこだわったモデルが揃います。Effect Audio、Brise Audio、Noble Audioなどのハイエンドモデルは、解像度・ノイズ耐性・定位感など、あらゆる面で高次元な仕上がりです。
ただし価格に見合った変化を感じられない場合もあるため、試聴やレビュー確認を怠らないことが大切です。高価格帯ほど、”相性”が音質に大きく影響します。
リケーブル時の注意点とメンテナンス方法
リケーブルの際に壊れる原因|正しい抜き差しの仕方
リケーブル時に最も多いトラブルは、無理な力での着脱によるコネクタ破損です。MMCXの場合はねじらずまっすぐに抜き差しする、2pinの場合はピンの向きを確認して真っ直ぐ挿し込むのが基本です。
ケーブルを引っ張って抜こうとする行為も断線や端子損傷の原因となるため、必ず根本を持って丁寧に扱いましょう。
ケーブル寿命と保管方法|断線を防ぐコツ
ケーブルの寿命を延ばすには、日頃の保管方法が重要です。使用後は強く折り曲げず、緩やかに巻いてケースに収納します。特に導体が細い高音質ケーブルは断線しやすいため、急なテンションをかけないよう注意が必要です。
湿気や熱による被覆の劣化も寿命を縮める原因になりますので、保管場所は通気性があり直射日光の当たらない場所を選びましょう。
MMCXがゆるくなった時の対処法とは?
MMCXコネクタは使用回数が増えると、差し込みが緩くなったり接触不良を起こすことがあります。この場合、専用の”MMCXタイトナー”や接点復活剤でのメンテナンスが有効です。
ただし、接点部分に液体を使う際は、精密機器用を選び少量ずつ使うのが鉄則です。明らかな摩耗や接触不良が見られる場合は、ケーブルではなくイヤホン側のコネクタ劣化も疑いましょう。
まとめ|リケーブルのやり方とおすすめコネクタ・ケーブルの選び方
初めてのリケーブルにおすすめの組み合わせは?
初心者には、扱いやすく流通量の多いMMCXコネクタのイヤホンに、銀メッキOFCケーブルの1,000〜3,000円台モデルを組み合わせるのがおすすめです。
この構成であれば、明瞭な音質変化を感じやすく、予算内で満足のいく結果が得られる可能性が高いです。
失敗しないために覚えておきたい5つのポイント
- コネクタの種類(MMCX・2pin)を事前に確認
- 抜き差しはまっすぐ、力任せにしない
- ケーブル素材と音質傾向を把握
- 使用後は丁寧に巻いて収納
- 高価格帯は試聴 or レビューを必ずチェック
これらの基本を押さえておけば、リケーブル初心者でも安全・快適にカスタマイズを楽しむことができます。