オーディオテクニカATH-R50xは、2.5mm・3極ジャック(本体左側のみ)を採用しており、バランス接続には対応していません。
バランス接続を行うには、本体を分解して改造する必要があり、一般ユーザーには推奨されません。
改造の労力やコストを考えると、最初からバランス接続対応のモデルを選ぶ方が現実的です。
ただし、ATH-R50xはアンバランス接続でも音の分離感に優れ、プロも納得のモニターヘッドホンサウンドクオリティを持っています。
さすがオーディオテクニカ最新設計45mmドライバーです。


ATH-R50xはバランス接続できない?その理由を解説
本体左側2.5mmジャックの仕様とは?
ATH-R50xは、本体左側に2.5mmジャックを搭載しており、ここに付属のケーブル(両端3.5mm/2.5mm)を接続する仕様です。
この2.5mm端子は3極(TRS)構造で、L/R信号+GNDの3本で構成される、一般的なアンバランス接続仕様となっています。
つまり、ATH-R50x本体には左右独立の信号入力ルートが存在しておらず、物理的にバランス接続ができる構造になっていません。
バランス接続に必要な端子と構造
一般的なバランス接続の方法では、左右チャンネルそれぞれに「+(ホット)」と「−(コールド)」の2本ずつ、合計4本の信号線が必要です。
バランス接続を行うには、以下のような構成が求められます:
- プラグ:4極(2.5mm)または5極(4.4mmバランス)が主流
- ヘッドホン本体:L/R独立でバランス信号を受け取れる構造
- アンプ・DAC側:バランス出力対応(例:4.4mmバランス端子搭載)
4.4mm バランス端子は近年のポータブルオーディオプレイヤーやUSB DACで多く採用されており、より高解像度で立体感のある音を実現できます。

ATH-R50xはなぜバランス化できないのか
ATH-R50xがバランス接続に対応していない理由は、主に以下の3点です。
- 3極ジャックであるため、左右チャンネルが分離されていない
- 内部配線が共通グラウンド(GND)を共有している
- 設計上、バランス接続に必要な絶縁・分離が行われていない
つまり、ATH-R50xの構造ではハードウェア的にバランス接続が不可能であり、ケーブルを交換するだけでは解決しません。
そのため、「ATH-R50x バランス接続 非対応」は明確で、実現するには本体の改造が必要になります。
ATH-R50xをバランス接続に改造する方法はある?
DIYでヘッドホン改造するリスク
確かにネット上には「ヘッドホン 改造」「バランス接続 DIY」といった情報もありますが、ATH-R50xをDIYでバランス化するのは非常に難易度が高い作業です。
- 本体を分解し、ドライバー直結のハンダ処理が必要
- ケーブルの選定や4.4mmプラグの取り付けに知識が必要
- 作業ミスによってユニットが故障するリスクも
また、保証も無効になります。よって、DIYでバランス接続を行うのは、よほどの経験者でない限りおすすめできません。

プロに改造を依頼する場合の相場
どうしてもバランス接続で使いたい場合は、ヘッドホン専門業者に改造を依頼するという手もあります。
「バランス化 改造 費用」は依頼先によって異なりますが、以下が相場感です:
- 分解・改造工賃:6,000〜15,000円程度
- 専用バランスケーブル代:3,000〜10,000円以上
- 納期:1週間〜1ヶ月
改造にかかる総額は1万〜2万円程度となることが多く、「それなら最初からバランス接続対応ヘッドホンを買った方がコスパが良い」と判断されることがほとんどです。
おすすめできない理由と代替案
ATH-R50xのバランス化改造は、コスト・リスク・労力の割に見合わないため、一般的にはおすすめできません。
代替案として、バランス接続 対応 ヘッドホンを最初から選ぶ方が合理的です。おすすめモデルは以下の通り:
- SENNHEISER HD 660S2:リスニングとモニタリング両対応。4.4mmケーブル付属
- Focal Clear MG Pro:プロスタジオレベルの解像度と空間表現
これらの機種は最初からバランス接続用ケーブルや端子に対応しており、改造の手間なく高音質を楽しめます。

上位機種のATH‑R70xa も、アンバランス接続
🎧 ステレオ構造とケーブル仕様
- ATH‑R70xaは、L/R 独立信号入力のツイスト&ロック方式2.5mm TRSケーブルを標準で採用しています。このケーブルは両端ともロック機構付きで、左右別信号入力が可能なステレオ仕様です 15recordingmag.com+15Hart Audio Cables+15。
- また、専用のバランスケーブル(4.4mm、XLR、2.5mm TRRS など)にも対応できると思われ、サードパーティーのバランスケーブルの利用が可能と思われます。今後の製品に期待。
🎙 音質・スペック上の特徴
- 開放型リファレンスモデルとしての軽量設計(約199g)で、自然な音場と高精度な再現性を持つと評価されています。
- 音質面では、解像度が高く、クリアでニュートラルな音像が好評で、ミックス・マスタリングなどプロ用途にも適しているとされています。
ATH-R70xa(オーディオテクニカ):開放型で自然な音場。
バランス接続のメリットとATH-R50xの実力
バランス接続のメリットとは?
まず、バランス接続には多くのメリットがあります。主に次のような点が挙げられます。
- ノイズの影響を受けにくくなる(ノイズ除去性能の向上)
- チャンネル分離が明確になり、立体感・定位感が向上
- 音の解像度や輪郭がクリアになり、音質が改善される
これらの点から、音楽制作やハイレゾリスニング、ゲーミング環境でも人気の接続方式です。特に4.4mmバランス端子は最新のDAP(デジタルオーディオプレーヤー)やアンプで広く採用され、今後ますます主流になっていくと見られます。
ATH-R50xの実力と魅力は?
バランス接続に対応していないとはいえ、ATH-R50xの実力は侮れません。
- 開放型ヘッドホンの構造により、音の広がりが自然で疲れにくい
- オーディオテクニカ独自のドライバー設計で、全帯域にわたってバランスの取れた音
- ボーカルは中域でしっかり前に出てくる設計で、J-POPやアコースティックとの相性も◎
- 低域も豊かで、ロック・ゲームサウンドにも迫力を感じる仕上がり
音の「分離感」や「定位感」が高く、アンバランス接続でも十分な表現力を持っています。
ゲームでの使用でも、足音や環境音がはっきり聞こえ、臨場感が高まるという評価も多いです。
結論としてのおすすめの選び方
最後に、ヘッドホンを選ぶ際の指針として以下を参考にしてください:
- バランス接続にこだわりたい方は、最初からバランス接続対応モデルを選ぶべきです。
- コストを抑えつつ高音質を求めたい方には、ATH-R50xは非常にコスパの高い選択肢です。
- 改造によるバランス化は、費用とリスクを冷静に検討する必要があります。
「ヘッドホン 選び方」は用途や予算により異なりますが、ATH-R50xは高音質・高コスパ・プロ用途にも耐える性能を持った優秀なモデルです。
ATH-R50xはバランス接続非対応でも音質に満足できる
- ATH-R50xは2.5mm・3極ジャックでバランス接続非対応
- バランス接続したい場合は分解改造 or 上位モデル購入が必要
- 改造は高リスク&コスト増
- アンバランスでも分離感が高く、音質は非常に良好
- ATH-R50xは価格以上の実力を持つ、隠れた名機
音にこだわる人にも満足できるパフォーマンスを提供するATH-R50x。
バランス接続ができないデメリットを差し引いても、“買って損のないヘッドホン”であることは間違いありません。